ソースコードは こちら に公開しています。

概要

データストアのRead/Writeの無料課金枠が結構シビアなのでもはやキャッシュなしではやっていけないと思ったのがこれを作るきっかけでした。(速度的にはデータストアの呼び出しがそんなに遅いとは感じないのであくまで課金対策が主眼です。)

既存のコードにできるだけ手を入れないで実現したかったのでApiProxyを使ってdatastoreのAPI呼び出しをhookし、protocol bufferのrequest,responseをそのままキャシュしてはどうかと思いつきました。

キャッシュ対象とするのはQuery(RunQueryメソッド)でGetはもともと安いので対象外としました。RunQueryメソッドをhookしてキャッシュにデータが存在すればdatastore APIは呼び出さずにキャッシュしたレスポンスを返す、キャッシュにデータが存在しなければそのままAPI呼び出しをしてresponseをキャッシュする、というしくみになっています。
同一カインドのデータがPutまたはDeleteされた場合はキャッシュを無効にするようにカインド毎のResetDateを持って管理しています。

WriteよりReadのほうが圧倒的に多いシステムではキャッシュヒット率が高くなるのでこのしくみは有効かと思います。
逆に同一カインドのエンティティが頻繁に更新されるようなシステムではあまり効果がないかもしれません。

必要なライブラリ

  • commons-logging-1.1
  • commons-lang-2.4
  • gdata-core-1.0

使い方

必要なjarファイルを追加して、web.xmlのfilterChain先頭に以下のフィルター設定を追加するだけです。


    <filter>
        <filter-name>CacheContextFilter</filter-name>
        <filter-class>jp.honestyworks.pbcache.ContextFilter</filter-class>
    </filter>
    <filter-mapping>
        <filter-name>CacheContextFilter</filter-name>
        <url-pattern>/*</url-pattern>
        <dispatcher>REQUEST</dispatcher>
    </filter-mapping>

その他の特徴

  • App EngineのMemcache Quota Limit を超えるサイズのデータも問題なくキャッシュされます。(適切なサイズにchunkされて保存します。)
  • memcacheだけでなくThreadLocalなコンテキストにもキャッシュを保持します。(Request毎にクリアされます。)
  • 上記ローカルキャッシュは使わない設定にすることもできます。
  • Production環境でしか有効になりません。

制限

  • datastore APIのasyncCallはsyncCallにデグレードします。asyncCallの恩恵を受けているシステムでは使用しないほうが良いかと思います。

本題とは関係ないけど、ktrwjr が便利

テストをするにあたり、slim3に組み込まれているktrwjrを使ってみましたがすごく便利!これは素晴らしいです。

ダウンロード

オープンソースとしてありますので自己責任でご自由にお使いください。

フィードバック

使っていただけた方は些細な事でもフィードバックいただけると嬉しいです。protocol buffer はあまり詳しくないので探り探りの実装になってます。
フィードバックは私のtwitterまでお寄せください。 (@miztaka)

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